【時計職人に聞く】Part.1 オーバーホールとその中身について。

【時計職人に聞く】Part.1 オーバーホールとその中身について。

【時計職人に聞くPart.1 】
時計には必要?よく聞くオーバーホールって何だろう。

今回から皆様の大事な時計にまつわる様々なことや、
なんとなく言葉は知っているど説明してよ!って言われたら…

サッと説明できなくて言葉に詰まってしまうような、「アレコレ」につてご紹介していきたいと思います。

 

1.オーバーホールとは…

時計を手に入れたその時、きっとオーバーホールをといったお話を耳にした方も多いと思います。
時計って修理やメンテナンスをするのは知ってはいるけど、実際どんなことをするの?

オーバーホールとは…

オーバーホール=【分解掃除】です。
「時計のケースを開けて、歯車や、連結部分の汚れを綺麗にします。」
と簡潔に言ってしまえばそれで終わりなんですが

人間で言えば「健康診断」と「何か良くない所があれば治療」

車で言えば「車検」と「異常があれば修理、パーツ交換」

といった感じのイメージです。

定期的なメンテナンスを行うことで、より綺麗に、より長く、より精度を保ちながら
ご愛用の時計を使い続けることができるようになっていきます。

オーバーホールは時計の定期健診、長く愛用するにはとても重要です!

せっかくの機会ですので、その詳細についてみていきましょう。

2.オーバーホールってどんな事してるの…

2-1.[状態のチェック]

オーバーホール
超高級機械式時計もお手頃価格のクォーツ式時計も、「必ず」メンテナンスの時期はやってきます。まずは、お預かりした時計の外観チェックから。傷んでいるところはないか?傷がある部分は?など、日々使うものですから持ち主のクセなども時計に現れていることもあります。その観察からこの辺がメンテナンス必要かもしれないな。という推測もしていきます。

2-2.[分解]

オーバーホール
次の工程は実際に時計のケースを開けていきます。そのまま使い続けていても表面的には何一つ支障を感じなくても、その時計の内部には確実に使った年数だけの痕跡が見て取れるものです。

この工程では丁寧に一つ一つのパーツを外していきます。
中には、気の遠くなりそうな複雑な時計もあります。

例えば、
・サビ。
時計の内部は金属パーツがぎっしり詰まってますので、サビが発生している場合があります。ステンレス素材といえども酸化が進めばサビが出ていますので状況によっては精度に大きくかかわってくることもあります。

・歯車や金属パーツの摩耗。
時を刻むには歯車が噛み合って動く必要がありますのでその動きの中で細かい摩耗紛が発生することも長年の動作の中でその金属微塵は時計内部の油分に吸着していきます。小さい部品のミリ単位のかみ合わせが悪いことで時計内部で負荷が大きくかかっている場合もあります。

・ゴムパッキンの劣化
時計の裏蓋の部分には防水時計であればゴムパッキンが使用されていますが、このパッキンの劣化が進んでいると防水設計の耐水精度にも大きくひびいてきます。密閉度が低くなると空気が行き来してしまいますので場合によっては時計内部が曇ってしまうことも…そうすると水分が時計の内部にある状態になってしまいますのでサビの発生につながったりと負の連鎖が出たりします。

2-3.[洗浄]

ケース内外やブレスレッドといった外部パーツもしっかりと超音波洗浄します。
取れにくい汚れもしっかり落として綺麗にしていきます。

内部パーツは1つ1つバラバラの状態まで分解し、歯車1つに至るまで綺麗に超音波洗浄します。

この工程は後日画像をアップ予定ですので、またその機会に詳しくご紹介していきますね。

2-4.[修理、機械の組み上げ]

オーバーホール
[洗浄]の工程で綺麗にした1つ1つのパーツを今度は順番に組み上げていきます。
組み上げにはとても気を使います。精度に直接かかわる部分ですので最後まで気が抜けない作業工程になります。場合によってはパーツが手に入らない時計もありますので、その場合にはパーツを自前で作ることもあります。

2-5.[仕上り、精度チェック]

オーバーホール
[修理、機械の組み上げ]の工程が終了したら今度は最終的な仕上がりと精度に問題がないかチェックを行います。精度は目視での検査のほか、機械を使い厳密にチェックをしていきます。

全ての工程に問題が無ければ、お客さまの手元へと戻っていきます。

3.まとめ

オーバーホールは時計の「定期健診」、長く愛用するには大事なことです。
目安としては個体差がありますが、おおよそ5年を経過したらチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
中にはもっと早い段階で不具合が見て取れる時計もありますが、しっかりとオーバーホールすることで状態が大きく改善することが期待できます。

ご相談はこちらから。

https://gc-yukizaki.jp/contact

この記事を書いた人yukizaki